娘がアトピー性皮膚炎と診断されたのは2歳のとき。最初に言われた「洗濯にも気をつけてくださいね」の一言から、私の試行錯誤は始まりました。それから7年。数えきれないほどの洗剤を試し、何度も皮膚科の先生に相談し、ネットの情報に振り回され、ようやくたどり着いた「うちのルール」をお伝えします。

最初に断っておきますが、これは「うちの娘の場合」のルールです。アトピーの症状や原因は個人差が大きいので、すべての方に当てはまるわけではありません。でも、同じ悩みを抱えるお母さん・お父さんの参考にはなるはずです。

ルール1:洗剤は「成分」で選ぶ、「イメージ」で選ばない

「アトピー用」「赤ちゃんにやさしい」——こういうパッケージの言葉だけで洗剤を選んでいた時期があります。でも裏面の成分を見ると、普通の洗剤と大差ないものも少なくなかった。

主治医のアドバイスは明確でした。「ともこさん、成分表示を見てください。界面活性剤の種類が大事です。」具体的には、ノニオン(非イオン)界面活性剤純石けん分が主成分のものを選ぶ。ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)やラウレス硫酸ナトリウム(SLES)が上位に来ているものは避ける。詳しくは界面活性剤の記事で解説しています。

うちで今使っているのは、普段着にはアタック ZERO(ノニオン系で残留しにくい)、肌着にはarau. 洗濯用せっけん(純石けん分ベース)の2本立て。全部の衣類を同じ洗剤で洗う必要はないんです。

ルール2:すすぎは絶対に2回以上

これは主治医が最も強調していたポイント。「すすぎ1回OK」の洗剤であっても、アトピーの子どもの衣類はすすぎ2回以上が鉄則です。

理由は単純で、洗剤成分が衣類に残留すると、それが肌に長時間触れ続けて刺激になるから。特に寝間着やタオルなど、肌に密着するものは要注意。

「でも水道代がかかるし……」って思いますよね。わかります。うちも水道代は気になります。でも皮膚科の治療費と薬代を考えたら、すすぎ1回分の水道代なんて安いもの。娘の肌が荒れると、1回の通院で3000円以上かかりますから。

余談ですが、すすぎ2回にしてから、洗い上がりの衣類の匂いが変わりました。洗剤の香りが残らず、「無臭」に近い仕上がり。最初はそれが物足りなく感じたけど、今はこの「何も匂わない状態」が正解だと思っています。娘も「前より肌がチクチクしない」と言うようになりました。子ども本人の感覚が何よりのバロメーターです。

ルール3:柔軟剤は使わない(代わりにクエン酸)

これが一番抵抗があった変更でした。柔軟剤を使わないと、タオルがゴワゴワになるんじゃないかって。

でも実際やめてみたら、意外とそこまでゴワゴワにならない。干す前に10回くらいバサバサと振って繊維を起こすだけで、そこそこフワッとします。どうしても気になるときは、最後のすすぎにクエン酸を大さじ1入れる。アルカリに傾いた繊維を中和して、ゴワつきを軽減できます。

柔軟剤をやめた理由は、カチオン界面活性剤と香料の残留が気になったから。娘の肌が柔軟剤を使ったタオルで赤くなったことが2回あり、それ以来うちでは使っていません。

ルール4:洗剤の量は規定量を厳守

「汚れがひどいから多めに入れよう」——この考え、アトピーっ子の家庭では禁物です。洗剤が多いと、すすぎ2回でもすすぎきれません。残留した洗剤成分が肌を刺激する悪循環に入ります。

逆に少なすぎても汚れが落ちず、汗や皮脂が残って痒みの原因に。計量カップ、ちゃんと使いましょう。目分量は危険です。

ルール5:衣類を分けて洗う

全部まとめて洗濯機にポイ、がラクなのは百も承知。でもうちでは最低限の分別をしています。

  • 肌着・タオル類:低刺激洗剤(arau.)ですすぎ2回
  • 普段着(外出着):通常洗剤(アタック ZERO)ですすぎ2回
  • ひどい汚れもの:洗浄力重視の洗剤で、他の衣類と分ける

「3回も洗濯するの?」って思うかもしれませんが、毎日3回ではなくて、汚れもの洗いは2〜3日に1回。肌着と普段着も、量が少なければまとめることも。ルールは「絶対」じゃなくて「基本方針」くらいの緩さで運用しています。

ルール6:乾燥は天日干し+バサバサ

乾燥機は繊維を傷めやすいので、うちは基本的に天日干し。紫外線には殺菌効果もあるし、乾燥機の熱で衣類に残った洗剤成分が繊維に固着するのを防ぐ意味もあります。

ただし花粉シーズンだけは別。花粉アレルギーもある娘のためにこの時期は室内干し。生乾き臭が気になるときは、扇風機かサーキュレーターの風を当てて対策しています。

タオル類は干す前に10〜20回バサバサと振る。繊維が立ち上がって、柔軟剤なしでもそこそこフワッとします。最初は近所の目が気になったけど、今はもう堂々とバサバサやってます。

ルール7:洗濯槽を月1で掃除する

見落としがちだけど超重要。洗濯槽の裏側にはカビや雑菌がびっしり潜んでいる可能性があります。せっかく低刺激の洗剤で丁寧に洗っても、洗濯機自体が汚れていたら意味がない

うちは月に1回、酸素系漂白剤で槽洗浄をしています。塩素系のほうが強力だけど、残留する塩素の臭いが気になるので酸素系を選択。40度くらいのお湯で回すと効果的です。

槽洗浄のタイミングは、カレンダーにリマインダーを入れています。月初の日曜日、と決めてルーティン化しました。最初は黒いワカメみたいなカビがごっそり出てきて衝撃でした。7年間の洗濯のうち、最初の2年は槽洗浄をサボっていた。あの2年間、カビだらけの洗濯機で娘の服を洗っていたかと思うと……。過去は変えられないので、今からしっかりやるしかありません。

これらのルールを全部完璧にこなそうとすると疲れます。大事なのは「絶対に守るルール」と「できれば守るルール」を分けること。うちの場合、ルール1(成分で選ぶ)、ルール2(すすぎ2回)、ルール3(柔軟剤なし)は絶対。それ以外は「できるときにやる」くらいの緩さで運用しています。

よくある質問

Q. 新しい衣類は買ってすぐ着せてもいい?

必ず一度洗ってからにしてください。新品の衣類にはホルムアルデヒドなどの加工剤が残留していることがあり、アトピーの肌には刺激になります。特に海外製の安価な衣類は要注意です。

Q. 洗濯洗剤でパッチテストはできますか?

できます。洗剤を溶かした水でガーゼを湿らせ、腕の内側に貼って24〜48時間様子を見ます。赤みやかゆみが出なければ、その洗剤は使える可能性が高い。新しい洗剤を試すときは必ずやってみてください。

Q. オーガニック洗剤ならアトピーでも安心ですか?

「オーガニック=肌にやさしい」とは限りません。オーガニックは原料の栽培方法に関する基準であり、肌への刺激性とは別の話。植物由来でもアレルギー反応を起こす成分はあります。大事なのは「オーガニックかどうか」ではなく「成分が自分の肌に合うかどうか」。

Q. 漂白剤は使ってもいいですか?

酸素系漂白剤(過炭酸ナトリウム)は比較的マイルドで、すすぎをしっかりすればアトピー肌でも使えることが多いです。ただし塩素系漂白剤は刺激が強いので避けてください。迷ったら皮膚科の主治医に相談を。

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界面活性剤の種類と肌への影響も参考にどうぞ